2023年2月26日(第4主日)

説教「試される各自の働き:ミナのたとえ」

聖書箇所:ルカの福音書19:11〜27,コリント人への手紙 第一 3:10〜15

1)このたとえ話の「ある身分の高い人」(12 節)背景:ヘロデ大王の死後、息子アルケラオ(マタイ 2 : 22)がユダヤを治めたが(BC4 年〜AD6 年)、その残忍さのゆえ皇帝アウグストゥスから王の称号は与えられなかった。エドム人 である彼が王になるためにはローマ皇帝の裁可が必要だった。アルケラオは実際、ユダヤを離れローマに行ったことがある。即位阻止を図ったのがユダヤ人やサマリヤ人だった。因みに、ヘロデ・アンテパス(マタイ 14 : 1)は弟、ヘ ロデ・ピリポ(マタイ 14 : 3)や領主ピリポ(ルカ 3 : 1)は異母兄弟。

2)上記の背景を踏まえ、主イエスはアルケラオの立場をご自身に重ねられ(身分の高い人)、「遠い国」を復活後の昇天、「王位を授かって戻る」をご自身の再臨にたとえられた。「その国の人々」(14 節)とはアルケラオの即位を望まなかったように、主イエスが「王」となることに反対する不信者のこと。

3)マタイ福音書 25 章「タラントのたとえ話」との比較。タラントはそれぞれの能力に応じて分け与えられた。これに対してミナはしもべたち全員に等しく与えられた。タラントが「賜物」であるなら、ミナは福音を信じる「信仰」と言 えよう。→ 解釈と適用については、I コリント書 3 章 10〜15 節を参照。

4)1 ミナをしまっておいた者へのさばきの言葉と共に、「王になるのを望まなかったあの敵ども(=不信者)」へのさばき(27 節)が述べられる。1ミナのしもべは預かっていたミナを取り上げられたが、それ以上の罰は受けていない (→ I コリント 3 : 15)。しかし不信者へのさばきの言葉は厳しい。