2023年2月19日(第3主日)

説教「救われた者の幸い:羊とやぎ」

聖書箇所:マタイの福音書25:31〜46

1)このたとえ話は「羊飼いが羊をやぎからより分けるように」(32節)とあることから、最後の審判についてのたとえであることが分かる。但し、その全容を知らせる意図ではなく、重要なことに絞って語られている。

2)このたとえは一見、愛の行いである善行をしたことで「御国を受け継ぎなさい」と言われていると、信仰義認の教理との不整合性で奇妙に感じるかもしれない。しかし主イエスは「世界の基が据えられるときから」と述べ、善行ゆえではなく、神が「羊」に与えようと決めておられた祝福が根拠であることを示唆した。

3)愛のわざと信仰の関係:本物の信仰は愛によってなされる行い(わざ)を伴うもの(参照 ヤコブの手紙 2 : 17, 26)。御国を受け継ぐのに愛のわざ自体が条件になることはないが、真の信仰は愛のわざを伴うので、ここでは信仰の証拠としての愛のわざのことが言及されている。所謂「クリスチャンの社会的責任」を教えているのではなく、救われた者が「わたしの兄弟たち(=教会 コロサイ 1 : 24)」に行う信仰のわざの幸い(「わたしにしたのです」40節)を説いたたとえ話である。「だれでも天におられるわたしの父のみこころを行うなら、その人こそわたしの兄弟、姉妹、母なのです。」(マタイ 12 : 50)