2023年1月29日(第5主日)
説教「罪のさばき③:土のちりに帰るのだ」
1)罪のさばきの最も深刻な結果は、人間に「死」がもたらされたことである。神は「しかし、善悪の知識の木からは、食べてはならない。その木から食べるとき、あなたは必ず死ぬ」(創 2 : 17)と言われた。その言葉に則り、「あなたは土のちりだから、土に帰るのだ」(19 節)と宣告された。
2)私たちは肉体の死が人生の最期であり、最も深刻な問題と考えがちであるが、聖書は、神との関係が断絶されたその状態自体がすでに「死んでいる」と語る。主イエスは公生涯の中で「死人が神の声を聞く時が来ます。今がその時で す。それを聞く者は生きます」(ヨハネ福音書 5 : 25)と語り、使徒パウロは「あなたがたは自分の背きと罪の中に死んでいた者であり」(エペソ書 2 : 1) と回心前の信徒たちをそう言い表している。肉体の死も深刻な問題であるが (死後の行く先が分からない)、人間は神の像 (かたち) として霊的に死んでしまっていることこそが最大の問題である。そしてその呪いは「一人 (アダム)」の違反によって全人類に拡散した (参照 ローマ書5 : 12)。
3)キリスト教の「救い」とは、まず私たちが霊的な死から霊的に再生することによって本来の「神の像」を回復することである。そのためには神との関係回復が必須である。一人の違反によって死がすべての人に広がったのであれば、 「一人の義の行為によってすべての人が義と認められ、いのちを与えられます」(ローマ 5 : 18)と説く。その「一人」とは、イエス・キリストである。