2022年12月4日(第1主日)

説教「ダビデの身から出る世継ぎの子」

聖書箇所:サムエル記 第二 7:1〜17

1)クリスマスとは、主がダビデ王に約束された「ダビデ契約」の成就である。神は、ダビデの身(子孫)から出る「世継ぎの子」のために「王国を確立」される(12 節)。杉材のマイホームではない、とこしえの王国である。

2)ダビデと預言者ナタンとの何気ない会話(2〜3 節前半)を《恵みの約束》へ拡大されたのは「主があなたとともにおられる」(3 節後半)ことの証左である。

3)主は、「神の箱の家」自体やそこに「住む」ことを否定されたのではない。主のための家を建てる者は「あなた(ダビデ)」ではないことを強調された。家を建てるのは、彼の「世継ぎの子」である(13 節)。

4)神の約束: ① 主がダビデのために一つの家を造る(11 節)。建築者が変わるだけでなく、建てられる家の《意味》も全く変わってしまう。神の箱の家ではなくダビデの家であり、しかもマイホームではなく「ダビデ王国」の意味とな る。 ② 恵みがサウルから取り去られたようにダビデから取り去られることはない。「とこしえ」にかかわる恵みの強調(15〜16 節)。

5)世継ぎの子が次代のソロモン王に限定されないことは「とこしえに」という言葉から明らか。つまり後代の不特定の人物が想定され、ソロモンの栄華で終わるものではないことが暗示されている。→ユダ王国の存続(II 列王記 8:19)。

6)新約聖書はダビデを「彼は預言者でした」(使徒 2:30)と証言し、世継ぎの子の王国を「キリストの復活」と結びつけている(同 31 節)。