2022年11月13日(第2主日)

【説教】神の像(かたち)を損傷した人間の罪

聖書箇所:創世記 2 章 15〜17節、3章1〜13節

1)復習:人は神の像(かたち)に創造された。独自の、自由な、主体性を持ち、創造的能力を備えた人格として創造された。人は孤独ではなく、人格的交わりを求める。根本は神との交わりである。神からのいのちの「息」 (「霊」と同じ語)。ゆえに人間は神との交わりをもって初めて生きた者となる「霊的な存在」である。交わりとは、神に正しく応答することである。

2)人間の罪とその原因:神への誤った応答。「善悪の知識の木」(2 : 17)の 存在。→ 神は人を誘惑したのではなく、「食べてはならない」と言われるお方がおられることを木を見ることによって思い出すため。人は神ではない。

3)罪の本質:神に対する不信。悪魔はここに目をつけた。そして蛇によって人を神不信へと誘い込んだ。「神は本当に言われたのですか。」(3 : 1) 人は本来「地を従え」「すべての生き物を支配せよ」(1 : 28)と神に命ぜられた存在であるのに、女は蛇に調子を合わせ蛇におもねる答えをした。2 : 17 と 3 : 3 を比較せよ。神は「触れてもいけない」とは言っていないし、「死ぬといけないから」ではなく「必ず死ぬ」と言われた。女の曖昧な態度に蛇は正面攻撃を仕掛けた(3 : 4)。女は夫にも実を与えた。人は神に対する不信 の道を選んだ。神への不信が罪の本質である。

4)罪の行動原理:禁じられた実を食べたことによって人は ① 自己防衛(3 : 7)し、② 逃避=責任回避(3 : 8、10)し、③ 責任転嫁(3 : 12 -13)する者となった。英語で「応答」と「責任」は同じ語。神に正しく応答しない者はその責任を放棄し、他人に転嫁しようとする。

5)しかし神はそれでも人に呼びかけ「あなたはどこにいるのか」(3 : 9)と問うた。神はそれでも人を愛し、人を追い求められたのである。ローマ 5 : 8。